都会でのエリート暮らしから転落した溝端 了衛(みぞばた りょうえ)。
仕事も住処も失い、20年ぶりに故郷の限界集落(★1)へ戻った。
本土から遠く離れた離島・・・というわけではない。
東京都下なのに、半径300メートルほどの範囲に七戸の家屋が点在しているだけの集落。
その超閉鎖的な田舎で再起を図ろうと奮闘する了衛を待ち受けていたのは、彼にとっては想像を絶する過酷な現実だった…。
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ところで…
「読書習慣を取り戻したいけれど、活字を追う時間がなかなか取れない」
そんな方にこそ、耳から物語に没入できるAudibleでの読書をおすすめします。
そして、そんなあなたに、社会派ミステリーの名手・中山 七里(なかやま しちり)さんが描く、美しくも残酷な人間ドラマと衝撃の結末であり、著者史上最狂とも称される一作、『ワルツを踊ろう』を紹介させていただきます。
ナレーターは、Audibleの朗読を29作品も担当しているベテランの祐仙 勇(ゆうせん いさむ)さん。
祐仙さんによる迫真の朗読で、人間の業と狂気が交錯する世界へ誘います。
- ★1 限界集落とは
- 65歳以上の高齢者が人口の50%を超え、冠婚葬祭や道路の管理といった共同生活の維持が難しくなっている集落のこと。
- 『ワルツを踊ろう』の物語では、東京都下にある限界集落、東京都西多摩郡依田村竜川地区(実在しない架空の地名!)を舞台としています。
- 本作のあらすじと魅力、登場人物の背景
- Audible(オーディブル)で本作を聴くべき理由
- 著者・中山七里さんのプロフィールと作品内での位置づけ
中山七里著『ワルツを踊ろう』の概要
著者・中山七里さんの真骨頂であるイヤミス(★2)、そして、予測不能などんでん返しが存分に味わえる『ワルツを踊ろう』の基礎情報とあらすじを、まずは全体像としてご紹介します。
詳細が気になる方は、この後のほうで、肝心要をネタバレしない範囲で掘り下げていきます。
『ワルツを踊ろう』の基礎情報
- タイトル :『ワルツを踊ろう』
- 著 者 :中山 七里(なかやま しちり)
- 文庫本出版:2019年10月9日(幻冬舎)
- ナレーター:祐仙 勇(ゆうせん いさむ)
- 配 信 日:2025年3月21日
- 再生時間 :10時間6分(標準速度)
『ワルツを踊ろう』の主な登場人物たち
- 溝端 了衛(みぞばた りょうえ):
- 本作の主人公、39歳。
- 元外資系金融会社のエリートだったが、リストラされ金も住処も失い、20年ぶりに故郷へ戻る。
- ヨハン:
- 了衛が村で出会い、心の支えとして可愛がっている子犬。
- 能見 求(のうみ もとみ ):
- 随分前に妻と子を病気で亡くして、一人暮らしの59歳。
- 集落のなかでどんどん孤立していく了衛に優しく接し、良き話し相手となってくれる唯一の隣人。
- 「とある事件」があって、能見は、ずっと村八分状態になっている。
- その他の限界集落の住民たち:
- 溝端家、能見家以外は、5戸7人。
- 大黒(だいこく)家・夫婦 – 集落の地区長
- 雀野(じゃくの)家・夫婦 – 集落の副地区長
- 野木元(のぎもと)家 – パチンコ好き(一人暮らし)
- 多々良(たたら)家 – ライフルによる狩猟がライフワーク(一人暮らし)
- 久間(きゅうま)家 – 元役場職員で本好き(一人暮らし)
- 溝端家、能見家以外は、5戸7人。
『ワルツを踊ろう』のあらすじ
新卒から勤めていた外資系会社を解雇され、文字通り無一文となってしまった39歳の溝端 了衛(みぞばた りょうえ)。
彼がたどり着いたのは、20年ぶりに足を踏み入れた故郷の実家でした。
しかしそこは、東京都内でありながら溝端本人を含め、7世帯9人しか暮らしていない、すっかり寂れた限界集落へと変わり果てていました。
村に溶け込み、生活を立て直そうと了衛は、さまざまな地域おこしやコミュニケーションを試みます。
しかし、閉鎖的で保守的な村人たちからは冷遇され、どんどん疎外されてしまいます。
さらには、愛犬の不審死など、精神的に追い詰められる出来事が立て続けに発生。
そんな絶望的な状況の中、唯一の理解者である能見(のうみ)に支えられながら、了衛はある乾坤一擲の策を思いつきます。
しかし、それが予想外の狂気のトリガーとなり…。
聴き終わった後は、人により、感じ方は様々に分かれる作品かもしれません。
それでも、「読み始めたら止まらない衝撃を味わいたい」という方にも、「重厚な人間ドラマにじっくり浸りたい」という方にも、どちらの読み方にも応えてくれる一冊です。
- ★2 イヤミスとは
- 読んだ後に「嫌な気分」や強い後味の悪さが残るミステリー小説のこと。
- イヤミスの主な特徴は…
- 救いのない結末:
- 事件の真相が明かされても、登場人物や読者に救いが残らないことが多いです。
- 人間のドロドロとした心理描写:
- 悪意、嫉妬、歪んだ愛情など、人間の暗い内面がリアルに描かれます。
- 高い中毒性を持つ:
- 「嫌なもの見たさ」から、先が気になって思わずページをめくってしまう魅力があります。
- 救いのない結末:
- 代表的な作家(敬称略)と作品
- 湊かなえ:
- 代表作『告白』など。人間の黒い感情を描く名手として知られます。
- 真梨幸子:
- 代表作『殺人鬼フジコの衝動』など。心の闇を容赦なくえぐり出す作品が特徴です。
- 沼田まほかる:
- 代表作『ユリゴコロ』など。歪んだ愛憎劇や人間の本質を描いています。
- この3人は、一般的に「イヤミスの三大女王」と呼ばれています。
- 代表作『ユリゴコロ』など。歪んだ愛憎劇や人間の本質を描いています。
- 湊かなえ:
「Audibleの聴く読書」をお薦めする3つの理由
以下、筆者の別記事からの引用です。
本作の魅力に入る前に、そもそも「耳で読む」という習慣がなぜ続けやすいのか、その3つの理由を整理しておきます。
Audibleを薦める理由1、目を使わずに読書できる!
「Audibleでの聴く読書」をお薦めする理由、その1番目は、目を使わずに読書できることです。
活字を追い続けると、どうしても目が疲れます。
文庫の小さな文字がつらくなってきた、夜になると本を開く気力が湧かない。
そういう理由で読書から遠ざかった方は少なくありません。
Audibleなら、目を閉じたままでも物語は進みます。
照明の明るさも、老眼鏡の有無も関係ありません。
読書をあきらめかけていた方が、もう一度物語に戻ってくるための入口になります。
私ごとですが、筆者は読書は好きでした。
残念ながら、中年になって文庫版などを読むのが辛くなってきました。
2013年頃には、文字の大きさを自由に設定できる電子書籍(Kindle主体)に、読書を移行しました。
そして、そろそろそれも辛くなってきた2017年から、聴く読書・Audibleを始めた次第。
以来、私の読書のメインはAudibleになっています。
気になった作品は、同時に、Kindleも購入して、文字を大きくしてiPadで読んでいます。Audibleを薦める理由2、「ながら時間」が読書時間に変化!
「Audibleでの聴く読書」をお薦めする理由、その2番目は、「ながら時間」が、そのまま読書時間に変わることです。
通勤の電車、食器を洗っている時間、散歩、庭仕事。
手はふさがっていても、耳は空いています。
1日1時間の隙間を積み上げれば、標準再生時間が8時間台の作品は9日ほどで聴き終わる計算。
「読む時間がない」という悩みは、多くの場合「本を開いて座る時間がない」という意味でした。
耳で読むなら、その前提そのものが変わります。
そして、「ながら時間」の活用という視点に立つと、さらに有用な機能がAudibleにはあります。
それは「倍速再生」。
標準再生時間 10時間の作品でも、「1.5倍速再生」ならば、6時間40分くらいで聴き終わります。
また、「2.0倍速再生」ならば、5時間で聴き終わります。
「2.0倍速再生」が未経験の人にとって、「2倍の速さで聴いても、頭に残らないでしょ、小説から感動など受け取れないでしょ」と思うかもしれませんね。
実は、人間の能力って凄いんです。
最初「1.2倍速」にすると、うんと速いな・・・と思うのですが、そのうち、「1.5倍速」、「1.7倍速」、「2.0倍速」と速めても、慣れるんです。
私は、齢 70で、2017年からAudibleを聴きまくっています。
最近は「1.5〜2.0倍速」の範囲で聴いていますが、小説の泣き所もしっかり感動して、泣いています。
「ながら時間」×「倍速」➡ たくさんの作品を楽しめます!Audibleを薦める理由3、プロの朗読が物語の情景に深みを増してくれる!
「Audibleでの聴く読書」をお薦めする理由、その3番目は、「プロの朗読が、文字だけでは立ち上がりにくい情景を運んでくれること」です。
引用元:中山七里著『もういちどベートーヴェン』|ピアノを捨てた岬洋介の再起をAudibleで聴く
人物ごとに声色が変わり、間や緩急がつくと、頭のなかの映像はぐっと鮮明になります。
会話の多い小説や、感情の揺れを追う物語では、その差がはっきり出ます。
また、再生速度を調整できるため、聴き取りやすさは自分で合わせられます。
積んだままだった本を消化する手段としても、Audibleは現実的な選択肢です。
それから、読み手(=ナレーター)については、これだけは是非伝えておきたい、それは…。
ほとんどのAudible作品では、ナレーターは1人なのです。
その物語に登場人物が10人いたとして、ナレーターはその10人を異なる人物として読み分けるのです。
聴き手は、その読み方で、しっかり人物を区別できる。
これ、ものすごい能力です。
そういうプロ達が、作品に魂を込めて伝えてくれる、それがAudible作品なのです。
中山七里さんの著作における『ワルツを踊ろう』の位置づけ
中山七里さん作品の代名詞といえば、読者をあっと言わせる鮮やかな「どんでん返し」と、社会の闇に切り込む鋭いリーガル・サスペンスやミステリーです。
本作『ワルツを踊ろう』は、著者の作品群のなかでも「著者史上最狂・最悪」と称されるほど、人間の心の闇や閉鎖社会の狂気を色濃く描いた異色作です。
これまでの社会派サスペンスの系譜を受け継ぎながらも、優雅なクラシック音楽のタイトルや序盤のヒューマンドラマ的な展開から一転して、終盤に向けて雪崩れ込むような残酷さへと転じる構成は、他の作品とは一線を画す仕上がりです。
「いつもの中山作品らしさを味わいたい」方にも、「これまでとは違う衝撃を求めている」方にも、応えてくれる一冊だと言えるでしょう。
『ワルツを踊ろう』のお薦めポイント3点
本作を聴く前に知っておきたい、「物語をより深く楽しむための見どころ」をご紹介します。
ポイント1:限界集落という逃げ場のないリアルな閉鎖空間
主人公・了衛(りょうえ)にとっては、故郷である限界集落しか選択肢がなかった…。
そして、彼が直面する「都会から切り離された過疎の村という舞台設定が非常にリアル」です。
それは、現代社会が抱える地方の高齢化や人間関係の歪みをリアルタイムで体験しているかのような緊張感があります。
ポイント2:随所に散りばめられた音楽的要素とタイトルの意味
了衛が大好きな楽曲、ヨハン・シュトラウスのワルツ名曲。
聴く者の理解を超える形でこの楽曲が重要な役割を果たします。
物語の静けさと狂気を結びつける不気味なアクセントとなっています。
ここではネタバレにもなるので解説はしませんが、あなたが「タイトルの真の意味」に気づいたとき、戦慄するかもしれません。
ポイント3:中山七里作品の真骨頂である予測不能な大どんでん返し
「もしかしてこうなのだろうか」という読者の予想を裏切り、さらにその先へとねじ曲げられていくストーリー展開は、ミステリーファンなら思わず唸らされる完成度を誇ります。
あなたは最後の最後、そして、さらにそのあとまで、裏切られる…かも。
Audible版『ワルツを踊ろう』を今すぐ試す3ステップ
「面白そうだけど、何から始めればいいかわからない」という方のために、シンプルな手順にまとめました。
- Audibleの作品ページにアクセスし、『ワルツを踊ろう』を検索する
- 会員登録・無料体験の案内に従って手続きを進める
- 通勤時間や家事の合間に、まずは冒頭部分から聴き始めてみる
難しい判断は不要です。まずは1章分だけ聴いてみて、自分に合うかどうかを確かめてみてください。
また、30日間無料体験中に自由にいつでも登録を解約できます。
30日間無料体験中に解約した場合、Audibleの料金は掛かりません、「0円」です。
また、解約しても「30日間」は無料体験ができます。
中山七里著『ワルツを踊ろう』に関するFAQ
- Q1. Audibleの再生時間はどのくらいですか?最後まで聴けるか心配です。
- A1. 標準再生時間は、10時間6分です。「1.5倍速」なら6時間44分、「2倍速」なら5時間3分となります。「1.5倍速」や「2倍速」は、「1.2倍速」「1.5倍速」「1.7倍速」と少しずつ速度をあげていくとすぐに慣れます。30日間の無料体験中に割と早く「2.0倍速」で楽しめるハズです。それから、「2倍速」で5時間になっても、集中して5時間連続で聴くのが難しい場合は、「細切れ時間」「スキマ時間」を活用してみましょう。
- Q2. 主人公の溝端了衛はどのような人物ですか?
- A2. 元外資系のエリートでありながら、人生の挫折を経て故郷に戻り、何とか状況を好転させようと空回りしながらも必死に足掻く人間味のあるキャラクターです。恐らくあなたは『ワルツを踊ろう』を聴き始めて1時間もしないうちに、了衛(りょうえ)の人となりをかなり理解していると思います。
- Q3. 舞台となっている限界集落は実在の場所ですか?
- A3. 作中に登場する具体的な集落は架空の場所です。しかし、日本の地方都市や過疎地域が抱える課題を色濃く反映したリアリティのある設定となっています。
- Q4. ホラー要素やグロテスクな描写はありますか?
- A4. ラストのほうに事件や残酷な局面を迎える展開があるため、グロテスクな描写や重い雰囲気が苦手な方はご注意ください。
- Q5. 読後感はスッキリするタイプのミステリーですか?
- A5. 本作は「イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)」の側面が強いため、爽快感というよりは強い衝撃や余韻が残る作品です。
- Q6. 他の中山七里作品を読んだり、聴いたりしていなくても楽しめますか?
- A6. 本作は単巻で完結するストーリーのため、初めて中山七里さんの作品に触れる方でも問題なく楽しめます。「まずはこの一冊から」という選び方も、「他の作品から入りたい」という選び方も、どちらも自由です。
ところで、中山七里さんには17のシリーズ作品があります。
今回、この記事で紹介した『ワルツを踊ろう』はシリーズではない作品です。
だからこそ、次の作品としては、中山七里さんのシリーズものをお薦めします。
実は、中山七里さんの作品はシリーズものの第1作がとにかく面白いという声が多く聞かれます。
気になった方は、シリーズ第1作をまとめた一覧をAmazonのなかに作りましたので、こちらもぜひご活用ください。
まとめ
中山七里さんの『ワルツを踊ろう』は、優雅なタイトルとは裏腹に、人間の欲望や田舎特有の閉鎖性が生み出す恐怖を描き出した衝撃のミステリーです。
無一文となって故郷に戻った主人公がたどる運命の行く末は、聴く者の心を激しく揺さぶります。
そして、この作品は、「積ん読を増やさずに読書量を増やしたい」方も、「これまでにない衝撃的な読書体験を求めている」方にもお薦め。
たくさんのAudible作品を担当しているベテランナレーター・祐仙 勇(ゆうせん いさむ)さんによる臨場感あふれる朗読をお楽しみください。
ぜひこの「イヤミスな最狂のどんでん返し」をAudibleで味わってくださいね。

