『夜がどれほど暗くても』Audible版 〜 加害者家族の葛藤を声で聴く

夜がどれほど暗くても・Audibleの薦め
  • URLをコピーしました!
  • 本記事を含め、当サイトは、Amazonアソシエイト等のアフィリエイト広告を利用して収益を得ています。また、コンテンツ作成においてAI(人工知能)を活用しています。

ある日突然、加害者家族になる。

中山七里さんの『夜がどれほど暗くても』は、スキャンダルを追う週刊誌の副編集長が、一夜にして報じられる側に回る社会派ミステリーです。

にゃあ子

重そうだけど、どんな物語なんだろう。
結末も、少しだけ知っておきたい……。

tao

聴く読書・Audibleで作品を楽しむ
ということを紹介しながら、
核心(重大なネタバレ)は伏せつつ、
作品の流れと聴きどころを伝えますね。

Audibleでは、シリーズ続編の『災疫の季節』とあわせて、2作とも聴き放題の対象です。

文字で読むのとは違う、声で聴くからこその重さが、この作品の聴きどころです。

この記事でわかること
  • 核心を伏せた、あらすじと読後感
  • Audibleで聴くメリットと、2作のナレーションの違い
  • ドラマ版との違いと、2作のデータ

この作品の声(ナレーション)を確かめたい方は、次のリンクから登録することで、今すぐ再生できます。

ところで、中山七里さんには「17ものシリーズ」があります。

そして、17シリーズは、どれも面白い!

中山七里さんのシリーズを詳しく解説したのが次の記事です。

また、各シリーズの1作目を中心にした中山作品お薦め作品一覧を作ってあります。

次にAudibleで聴く中山七里さんの作品を選ぶときにご利用ください。

目次

『夜がどれほど暗くても』〜 核心を伏せた、あらすじと読後感

ここでは、核心の部分は伏せたまま、物語の流れと読後感をお伝えします。

筆者 taoが別に運営するブログにも、同じ作品を少し違った角度から分析している記事(以下、「分析記事」と記す)があります。

主な登場人物と役柄

  • 志賀 倫成(しが みちなり):
    • 大手出版社が発行する雑誌『週刊春潮』の副編集長。
    • スキャンダル記事で会社を支えてきた
  • 志賀 健輔(しが けんすけ):
    • 志賀の息子で、大学生。
    • ストーカーの末、星野夫婦殺人の疑いがかかる。
  • 星野 希久子(ほしの きくこ):
    • 健輔の大学で青年心理学を教える講師で、ゼミも担当。
  • 星野 奈々美(ほしの ななみ):
    • 事件の被害者の娘、中学生。
  • 楢崎(ならさき):
    • 志賀が左遷される『春潮48』の編集長。

発端|追う側から、追われる側へ

志賀倫成は、スキャンダル記事を売り物とする『週刊春潮』の副編集長。

そして『週刊春潮』こそが、会社の屋台骨を支えているという自負を持っていました。

そこへ、一人息子・健輔に、ストーカー殺人の疑いがかかります。

これまで他人の不祥事を暴いてきた記者が、突然、報じられる側になるのです。

志賀は、問題雑誌『春潮48』へ左遷されます。

取材対象だけでなく、同僚からも罵倒される日々が続きます。

妻も、家を出てしまいます。

「分析記事」では、報道陣が自宅前に押し寄せ、ネットで憶測が広がる様子を、現実の延長線上にある恐怖として紹介しています。

中盤|報道していた自分と向き合う

物語中盤、志賀は、これまで自分が手がけたスクープを、思い返します。

自分も、同じように、誰かを追い詰めていたのではないか。

そう気づく瞬間が、描かれます。

そんな中で、被害者の娘・奈々美と触れ合ううちに、新たな光が見え始めます。

光がどこへ向かうのかは、聴いてからのお楽しみ。

結末の方向性と読後感(核心は伏せます)

筆者の分析では、終盤は、派手などんでん返しではなく、静かに収束。

事件の真相が少しずつ明らかになる中で、登場人物それぞれが、自分の選択と向き合います。

読み終えたあとに残るのは、軽い爽快感ではありません。

重さと、小さな光です。

レビューには、「後半の展開が早いと感じた」などの声もありました。

『夜がどれほど暗くても』はシリーズ作品

この記事の冒頭にも書きましたが、『夜がどれほど暗くても』はシリーズの1作目です。

2作目『厄災の季節』は、1作目の主人公・志賀倫成(しがみちなり)が、出版人として、コロナ禍で繰り広げられた狂騒の日常が生み出した闇と対峙する物語です。

『夜がどれほど暗くても』Audible 〜 声で聴くから伝わる、ヒリヒリする重さ

ここからが、Audibleで聴くメリットです。

この作品は、耳で聴くと、重さがじかに届くタイプの物語です。

筆者の感想|ヒリヒリする違和感

筆者は、この物語を映画化作品を観る前に、Audibleで聴きました。

聴いた感想を、そのままお伝えします。

tao

聴いている最中、「ヒリヒリする違和感」というか、気持ち悪さを感じました。

それは、原作が良くないということではありません。

扱っている問題自体に根付く「いやらしさ」です。

この原作は、私も含めて、世間の多くの人の中にある「いやらしさ」を、えぐるように描いているのです。

ですから、聴き終えたあとに「重さ」が残ります。

そして、「小さな光」も残るのです。

匿名の書き込みが家族を追い詰める様子や、売上を優先する編集会議の冷たさは、現実と地続きです。

声で聴くと、その言葉たちが持つ「重さ」が、あなたの耳元にそのまま届きます。

シリーズ2作ではナレーションが違う|下和田ヒロキさんと名村幸太朗さん

シリーズ1作目『夜がどれほど暗くても』のナレーターは、下和田ヒロキさんです。

レビューには、人物の声の違いが分かりやすく、聴きやすいという声がありました。

上司の憎らしさが、ナレーションの演技で増した、という感想もあります。

一方で、芝居がかっていて、アニメのようだと感じた方もいます。

ナレーションは、好みが分かれるところのようです。

そして、シリーズ2作目の『災疫の季節』は、名村幸太朗さんです。

レビューには、事実を淡々と時系列で描くような印象だった、という声がありました。

地の文は低めで、セリフになると音量が大きく感じる、という声もあります。

_/_/_/

Audible作品は、同じシリーズは同じナレーターが担当する場合もあれば、シリーズ個々にナレーターが異なる場合もあります。

どちらが良いとか悪いとかではありません。

ですから、Audible作品を楽しむ場合には、ナレーターにこだわらずにまず聴いてみることをお薦めします。

Audibleのプレミアム会員ならば、追加費用を気にせず、次から次と試聴できます。

そして、物語もナレーターも気に入ったら、そのまま最後まで楽しみましょう。

1ヶ月に10冊聴いても、50冊聴いても、月額 1,500円(税込)は変わりません。

お薦めは…聴き放題で、2作を続けて聴くこと

志賀倫成シリーズは、2作とも聴き放題の対象です。

合計は14時間48分なので、通勤や散歩、家事の時間に、少しずつ聴き進められます。

もっとも、1.5倍速や2.0倍速で楽しめば、もう少し手軽に楽しめます。

そうそう、この志賀倫成シリーズは重い話なので、一気に聴かず、気持ちに余裕のあるときに進めるのが安心ですね。

ちょっと前にも書きましたが、声の相性は、冒頭を聴けば分かります。

合わなければ、そこでやめても構いません。

1作目の声を試したい方は、次のリンクからどうぞ。

『夜がどれほど暗くても』〜 報道・正義・家族を問う社会派ミステリー

この作品は、犯人探しだけの物語ではありません。

報道のあり方や、世間の目の暴力性まで踏み込んでいます。

タイトルに込められた意味

筆者は、タイトルの「夜がどれほど暗くても」を、絶望の中にも、わずかな光があるという意味だと受け取りました。

闇が深いほど、光は際立つのです。

社会から糾弾され、居場所を失いかける家族の中で、それでも完全には断ち切れないものが、描かれます。

正義とは何か、報道は誰のためか

正義とは何か。

報道の自由は、誰のためのものか。

この問いが、物語の根底を貫いています。

派手なトリックよりも、人間の心理を丁寧に描く作品です。

だからこそ、聴き終えたあとも、いろいろと考えさせられます。

続編『災疫の季節』|コロナ禍の報道

続編の『災疫の季節』でも、主人公は志賀倫成です。

舞台は、コロナ禍です。

志賀は、医療の現場で奮闘する旧友の医師・伊達充彦から、コロナ禍の報道について、出版人としての良識を問われます。

自分は、偏向報道に加担しているのか。

心が揺れる中で、事件が起きます。

伊達の勤務する病院で、妨害活動をしていた反ワクチン団体の代表が、院内で遺体となって発見されるのです。

志賀は、事件の真相を探って、取材を始めます。

1作目の重さを、別の角度から感じるためにも、2作目まで聴くのがお薦めです。

レビューには、当時の葛藤がよみがえった、という医療従事者の声や、社会派ミステリーとして読んだ、という感想がありました。

一方で、コロナの話題は、もういいかなという声もあります。

同じ中山七里さんの社会派の作品に興味がある方は、こちらもどうぞ。

『夜がどれほど暗くても』〜 ドラマ版との違いと、どちらから楽しむか

『夜がどれほど暗くても』は、WOWOWでドラマ化もされています。

ここでは、ドラマ版の基本情報と、原作との違いを整理します。

ドラマ版の基本情報

  • 放送:WOWOW「連続ドラマW」、2020年11月から12月、全4話
  • 監督:橋本一さん、谷口正晃さん
  • 脚本:大石哲也さん
  • 出演:上川隆也さん、加藤シゲアキさん、岡田結実さん、高橋克実さん、高嶋政伸さん、羽田美智子さん ほか

ドラマ

キャストの役どころと演技の見どころは、次の「分析記事」にまとめています。

原作とドラマの違い

筆者の分析では、原作は内面重視、ドラマは感情の可視化です。

原作は、主人公の心の動きをじっくり追います。

ドラマは、沈黙や視線で、感情を見せます。

同じく筆者の分析では、ドラマは、家族ドラマの比重が増えています。

編集部の登場人物は、物語の軸がぶれないよう整理されています。

原作とドラマ、どちらから?

答えは、どちらからでも楽しめます。

事前に全体像をつかんで、安心して楽しみたい方は、ドラマから原作へ。

物語の核心を、じっくり味わいたい方は、原作からドラマへ。

原作は、Audibleの聴き放題で聴けます。

まず声で、物語の重さを確かめてみるのも、ひとつの入り口です。

まとめにかえて 〜 再生時間・評価・順番をデータで確認

最後に、まとめにかえて、シリーズ・2作のデータを1か所にまとめます。

聴く前の確認にお使いください。

2作の基本データ

  • 1作目『夜がどれほど暗くても』
    • ナレーター:下和田ヒロキさん
    • 再生時間 :7時間38分
    • 配 信 日:2025年4月30日
    • 評   価:4.4(レビュー634件)
    • 聴き放題 :対象
  • 2作目『災疫の季節』
    • ナレーター:名村幸太朗さん
    • 再生時間 :7時間10分
    • 配 信 日:2026年1月23日
    • 評   価:4.3(レビュー185件)
    • 聴き放題 :対象

※評価・レビュー件数は、2026年10月時点の数値です。

2作の合計再生時間(標準)は、14時間48分です。

お薦めの順番と、本の刊行

作品を聴くお薦めの順番は、1作目の『夜がどれほど暗くても』から、2作目の『災疫の季節』です。

2作にシリーズとして、切り離せない関係性があるからです。

『災疫の季節』の紹介文には、1作目の主人公・志賀倫成が立ち向かう物語、とうたっています。

1作目は、2020年3月に角川春樹事務所から刊行され、同年9月にハルキ文庫になりました。

2作目は、2025年7月に角川春樹事務所から刊行されています。

刊行の情報は、Wikipediaの記載にもとづいています。

こんな気分のときに

ニュースやSNSの言葉の重さを、じっくり考えたい夜に。

そんなときに、1作目の冒頭から聴いてみてください。

合えば、そのまま『災疫の季節』まで進めます。

冒頭を聴いてみたくなった方は、次のリンクからどうぞ。

中山七里さんの他のシリーズは、一覧記事にまとめています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次