『静おばあちゃんと要介護探偵』Audibleで聴く薦め|ドビュッシーの前日譚!?

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『さよならドビュッシー』で強烈な印象を残しながら、物語の早い段階で姿を消してしまった香月 玄太郎(こうづき げんたろう)。

あの破天荒な名物キャラクターが、存分に大暴れするミステリーがあったら、聴いてみたいと思いませんか?

その願いに応えてくれるのが、中山七里さんの『静おばあちゃんと要介護探偵』です。

これは「静おばあちゃん」シリーズの2作目。

車椅子の暴走老人・玄太郎と、元女性高裁判事・高遠寺静(こうえんじ しずか)による、老老コンビの物語。

二人が知恵と行動力で、難事件を次々と解決していきます。

にゃあ子

シリーズ全3作のうち、Audibleで聴き放題になってるのは2作目と3作目だけらしい。

1作目がないのに、2作目からいきなり聴いて、話についていけるのかな……。

tao

シリーズものを途中から聴き始めるのは、ちょっと勇気がいりますよね。

公式情報をもとに、配信状況や作品のつながりをまとめました。

結論からお伝えすると、1作目のAudible配信予定はありません。

それでも本作は各話完結の短編集で、二人の出会いも丁寧に描かれています。

2作目から聴いても、少しの問題もなく楽しめます。

この記事でわかること
  • 作品の基本情報と、シリーズ全3作・Audibleの配信状況
  • 香月玄太郎と『さよならドビュッシー』のつながり
  • ドラマ化と、中山七里さん作品の中での位置づけ

ところで、すでにAudibleプレミアム会員の方は、今すぐ聴くことができます。

一方、会員ではない方は、30日間の無料体験を活用すれば、すぐに始められます。

目次

静おばあちゃんと要介護探偵|ドビュッシーの前日譚として聴く理由

静おばあちゃんシリーズは全3作ですが、Audibleで配信されているのは2作目と3作目だけです。

それでも2作目から楽しめる理由を、基本情報と『さよならドビュッシー』との関わりから見ていきます。

『静おばあちゃんと要介護探偵』の基本情報

本作は、正反対の経歴と性格を持つ二人の高齢者がタッグを組む、痛快な連作ミステリーです。

作品の概要、主な登場人物、あらすじの順にまとめます。

『静おばあちゃんと要介護探偵』作品概要

  • タイトル:『静おばあちゃんと要介護探偵』
  • 著  者:中山七里
  • 単行本刊行日:2018年11月(文藝春秋)
  • 文庫本刊行日:2021年2月(文春文庫)
  • シリーズの位置づけ:
    • 静おばあちゃんシリーズ全3作中の第2作
  • Audible配信状況:
    • 配信中(Audibleプレミアムプランの聴き放題対象)

『静おばあちゃんと要介護探偵』主な登場人物

  • 高遠寺静(こうえんじ しずか):
    • 80歳。日本で20人目の女性裁判官で、東京高裁判事などを歴任した法律のプロです。引退後も、法科大学院の客員教授や講演で多忙な日々を送っています。冷静沈着で、理性を重んじる性格です。
  • 香月玄太郎(こうづき げんたろう):
    • 70歳。中部政財界に強い影響力を持つ大資産家です。名古屋の不動産会社「香月地所」の代表取締役や、商工会議所会頭を務める地元の名士でもあります。脳梗塞の後遺症で車椅子生活ですが、怒鳴り散らしながら現場へ突進する「要介護探偵」です。
  • 高遠寺円(こうえんじ まどか):
    • 静の孫娘で、法曹界を目指す真面目な女子大生です。前作『静おばあちゃんにおまかせ』では、静から助言をもらい、事件を解決へ導く窓口役でした。
  • 葛城公彦(かつらぎ きみひこ):
    • 警視庁捜査一課の新米刑事です。円に好意を寄せつつ、難事件に直面するたびに相談を持ちかけ、ヒントを得ています。

『静おばあちゃんと要介護探偵』あらすじ

元東京高裁判事の高遠寺静のもとに、女学校時代の同級生が密室状態で死亡したという知らせが届きます。

現場の状況からは、事故とも自殺とも他殺とも判断がつきません。

80歳を迎えてなお、現役の捜査陣から厚い信望を集める静は、真相を確かめるべく動き出します。

そこに絡んでくるのが、中部経済界の重鎮であり、車椅子で乗り込んでは周囲を怒鳴り散らす「要介護探偵」こと香月玄太郎です。

理詰めで証拠を積み上げる静と、規格外の財力と人脈、そして直感で強引に事態を動かす玄太郎。

水と油のような二人が、衝突を繰り返しながら、複雑に絡み合った謎に立ち向かいます。

大学構内で起きた爆発事件。

高齢者を狙った卑劣な投資詐欺。

認知症の父親をめぐる失踪事件。

現代社会が抱える介護や労働の問題に切り込んだ、全5編が収録されています。

先の読めない論理展開と痛快な逆転劇に、思わず引き込まれる連作短編集です。

静おばあちゃんシリーズは全3作|Audibleで聴けるのは2作目と3作目

シリーズものと聞くと、1作目から順番に読まなければ、と考えがちですよね。

ですが静おばあちゃんシリーズは、2作目からAudibleで聴き始めても十分に楽しめます。

大きな理由は、1作目と2作目で、作品の構造が違う点にあります。

シリーズ全3作の刊行情報とAudibleの配信状況は、次のとおりです。

  • 1作目『静おばあちゃんにおまかせ』
    • 刊行:2012年7月(単行本・文藝春秋)、2014年11月(文春文庫)
    • ドラマ化:2018年にテレビ朝日で放送(主演:岡田結実さん)
    • Audible配信:なし(今後の配信予定もなし)
  • 2作目『静おばあちゃんと要介護探偵』
    • 刊行:2018年11月(単行本・文藝春秋)、2021年2月(文春文庫)
    • Audible配信:あり(聴き放題対象)
  • 3作目『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』
    • 刊行:2020年10月(単行本・文藝春秋)、2023年10月(文春文庫)
    • Audible配信:あり(聴き放題対象)

1作目『静おばあちゃんにおまかせ』は、孫娘の円と葛城刑事が事件の相談を持ち帰り、自宅にいる静が法的な観点から助言を与える形式でした。

いわゆる「安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)」のスタイルです。

玄太郎は、1作目には一切登場しません。

二人が初めて出会い、実際に顔を合わせて凸凹バディを結成するのは、2作目『静おばあちゃんと要介護探偵』からです。

作中では、二人の性格の違いや出会いの経緯が丁寧に描かれます。

出版社の公式紹介や各書評、Audibleのリスナーレビューを見ても、同じ傾向です。

「前作を未読でも問題なく話に入り込めた」「独立した短編集として完成していて楽しめた」という声が、多数を占めています。

1作目の世界観を先に知っておきたい場合は、書籍(文庫や電子書籍)で読む方法もあります。

ただ、Audibleですぐに音声を聴きたいなら、2作目から再生を始めて大丈夫です。

香月玄太郎|『さよならドビュッシー』とのつながり

香月玄太郎という名前に見覚えがある方は、中山七里さんの代表作『さよならドビュッシー』をご存知かもしれません。

玄太郎は、第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した、岬洋介シリーズ第1作『さよならドビュッシー』に登場するキーパーソンです。

ところが同作では、物語の早い段階で姿を消してしまいます。

迫力のある毒舌と、型破りな行動力に魅了された読者からは、玄太郎の活躍をもっと見たかったという声が絶えませんでした。

静おばあちゃんシリーズは、岬洋介シリーズの直接の本編ではありません。

ただ、作中の時系列を照らし合わせると、玄太郎が元気いっぱいに車椅子で事件現場へ乗り込む本作と次作、つまり、「静おばあちゃん」シリーズの2作目と3作目は、『さよならドビュッシー』の前日譚にあたります。

脳梗塞で倒れて半身不随になりながら、闘志を失わない玄太郎。

理不尽な悪事に憤り、車椅子を巧みに操って巨悪に立ち向かう姿は、ファンが待ち望んでいたものでしょう。

前日譚として聴くと、玄太郎という愛すべき人物の魅力が、いっそう味わい深くなります。

『さよならドビュッシー』については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

中山七里さんのデビュー作で、Audible版の魅力や、映画版との違いにも触れています。

聴き放題で、2作目から試そう

シリーズの途中から聴いて満足できるかどうか迷うなら、まずはAudibleの聴き放題で2作目を試すのが気軽な方法です。

Audibleのプレミアムプランでは、2作目も3作目も、月額聴き放題の対象です。

単品で購入すると3,000円近くかかるオーディオブックですが、会員なら追加料金なしで、そのまま再生できます。

初めてAudibleを使う方には、30日間の無料体験があります。

期間内に解約すれば、月額料金はかかりません。

最初の数話を聴いて合わなければ、そこでやめれば大丈夫です。

まずは気負わずにアプリを開いて、第1話「二人で探偵を」の再生ボタンを押してみてください。

軽妙な二人の会話が耳に入ってくると、シリーズの途中から聴く不安も、薄れていくはずです。

無料体験の登録リンクは、こちらです。

静おばあちゃんシリーズ|Audibleで聴ける2作品の情報

Audibleで配信されている2作品を合わせると、約18時間半のボリュームです。

再生時間、ナレーター、聴く順番を順に見ていきましょう。

再生時間・配信日・評価

Audible版の2作品は、どちらも4.7から4.8という高い評価を集めています。

具体的な数値は、次のとおりです。

  • 『静おばあちゃんと要介護探偵』(第2作)
    • 再生時間:9時間10分
    • 配信日:2024年1月19日
    • 総合評価:4.7(評価件数:408件)
  • 『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』(第3作)
    • 再生時間:9時間12分
    • 配信日:2024年2月23日
    • 総合評価:4.8(評価件数:414件)

※評価や評価件数は、2026年10月時点の数値です。

2作を合計すると、18時間22分になります。

9時間超えと聞くと、長く感じるかもしれません。

ただ、本作は1話あたり1時間半から2時間前後で完結する短編集です。

長編小説のように、複雑な人間関係を何日も覚えておく負担がありません。

通勤電車や家事の合間、ウォーキングなどのスキマ時間に、1話ずつ区切って聴き進められます。

倍速再生を使えば、もう少し短い時間でも聴けます。

星4.7から4.8という評価は、数多くのタイトルが並ぶAudibleの中でも、高い水準です。

レビューでは、ストーリーの面白さに加えて、次にご紹介するナレーションを褒める声が目立ちます。

ナレーターは2人体制

本作のナレーションは、沢井真知さんと祐仙勇さんの2人体制です。

一般的なオーディオブックは、1人のナレーターがすべての役を演じ分けることが多いもの。

ところが本作は、男女2人のナレーターが、掛け合いを分担しています。

静の知的で凛とした語り口を沢井真知さんが、怒鳴り散らしながらも情に厚い玄太郎の豪快なダミ声を祐仙勇さんが演じています。

会話の主語が誰なのか、迷うことがほとんどありません。

ラジオドラマや舞台劇を聴いているような臨場感があります。

リスナーレビューには、幅広い役柄を自然に演じ分ける技術に驚いたという声や、二人の掛け合いが痛快で思わず笑ったという声が目立ちます。

玄太郎が暴走するたびに、静がため息まじりに、冷静な正論を返す。

このテンポは、活字を目で追うより、耳で聴くほうがコミカルに響きます。

耳で聴く読書ならではの楽しさが、詰まった作品です。

聴く順番と聴き方

Audibleでこのシリーズを聴くなら、配信されている刊行順に進める方法が向いています。

順番は次のとおりです。

  1. 2作目『静おばあちゃんと要介護探偵』
  2. 3作目『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』

2作目では、日本一そりが合わない二人がどう出会い、反発しながら互いの実力を認め合って事件を解決するのか、バディ結成の過程が描かれます。

この土台を先に味わっておくと、3作目がいっそう面白くなります。

3作目では、玄太郎が入院して病床から暴走したり、静が狙われる緊迫した事態に直面したりします。

1作目『静おばあちゃんにおまかせ』は、Audibleにはありません。

どうしても最初から追いたい場合は、紙の文庫本やKindleなどの電子書籍で補う形になります。

ただ、老老コンビの掛け合いが目当てなら、2作目からAudibleで始めて大丈夫です。

5編の短編を1話ずつ、週末のリラックスタイムや、日々の移動時間のお供にしてみてください。

静おばあちゃんと要介護探偵|ドラマ化と、作品の位置づけ

映像化の歴史と、多作で知られる中山七里さんの作品群の中での立ち位置を知ると、物語の味わいが少し深まります。

ドラマ化の情報

静おばあちゃんシリーズについて、以前テレビドラマで見た記憶がある、という方もいるかもしれません。

実際にドラマ化されたのは、シリーズ第1作『静おばあちゃんにおまかせ』のみです。

2018年にテレビ朝日のスペシャルドラマとして放送され、岡田結実さんが主人公の女子大生・高遠寺円を演じました。

1作目は、若い女子大生と新米刑事が現場で悩み、家にいる聡明な祖母から知恵を借りる、という分かりやすい構図でした。

単発のテレビドラマにしやすい構成だったわけです。

一方で、第2作『静おばあちゃんと要介護探偵』と第3作『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』は、ドラマ化されていません。

車椅子の玄太郎と静おばあちゃんが、直接顔を合わせて大暴れする姿は、現時点では映像で見られません。

その代わりに、ナレーター二人の掛け合いで楽しめるのが、Audible版です。

中山七里さん作品の中での位置づけ

本作は、中山七里さんが手がける全17シリーズのうち、6つ目のシリーズにあたります。

1作目『静おばあちゃんにおまかせ』は2012年、2作目『静おばあちゃんと要介護探偵』は2018年の刊行です。

注目したいのは、その間に6年もの開きがある点です。

シリーズ化のきっかけになったのが、この2作目でした。

中山七里さんは、別々の作品で生まれた強烈な名探偵同士を、同じ舞台で出会わせる手法を得意としています。

『要介護探偵の事件簿』(文庫改題『さよならドビュッシー前奏曲』)で生み出した、破天荒な老人・玄太郎。

その玄太郎と、安楽椅子探偵だった静を巡り合わせるアイデアで、単発に近かった作品が、人気シリーズへ育ちました。

著者の他作品とのつながりを楽しめる点でも、ユニークな位置にある作品です。

中山七里さんの作品の全体像や、他のシリーズの並び順を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

まとめ|2作目から聴ける人、1作目から楽しみたい人

静おばあちゃんシリーズ全3作のうち、Audibleで聴けるのは2作目と3作目です。

ご自分がどちらのスタイルに近いか、最後に整理しておきましょう。

2作目から聴けそうな人

1作目の未読を気にせず、今すぐ2作目から聴き始めるスタイルが向いているのは、次のような方です。

  • 『さよならドビュッシー』を読んだ人:香月玄太郎のその後の大活躍や、前日譚を味わいたい人
  • 掛け合いを楽しみたい人:口の悪い暴走じいさんと、沈着冷静な元裁判官による、コミカルで痛快なやり取りを音声で楽しみたい人
  • 手軽に始めたい人:順番にこだわらず、聴き放題で今すぐミステリーを楽しみたい人

1作目から順に楽しみたい人

一方で、次のようなこだわりのある方は、まず1作目の書籍を手に取るルートが合っています。

  • 順番どおりに追いたい人:登場人物の初登場時の背景や、設定の変遷を、最初から順にたどりたい几帳面な人
  • 静おばあちゃんの原点を知りたい人:孫娘の円と葛城刑事が中心となって事件に挑む、安楽椅子探偵としての静を知りたい人
  • 活字で1作目を読んでから聴きたい人:紙の文庫本や電子書籍で1作目を読み終えてから、Audibleの2作目へ移りたい人

1作目を読んでいないからといって、この作品を敬遠してしまうのは、もったいないことです。

迷っているなら、まずは2作目の第1話を再生してみてください。

玄太郎の小気味よい怒声と、静の涼やかな推理。

その二つが耳に入ってくると、物語に引き込まれていくはずです。

気になった方は、次のリンクから試せます。

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